職業が答えられない病に苦しんだ10年間
皆さんは、初対面の人から「どんな仕事をしているの?」と聞かれて、すぐに答えられますか?
私は昨年まで10年間くらい答えられませんでした。ある意味、職業が答えられない病に苦しみました。
職業を聞かれても、「うーん、何というか、営業みたいな感じ」などと適当に答えて、その場をやり過ごしていました。
私がちゃんと答えないから、相手も壁を作られたと怪訝な表情になり、微妙な雰囲気になる。そして私は「ああしまったな」と自己嫌悪に陥る、その繰り返しでした。
答えられない自分が嫌で、数年前、学生時代からの友人で同じ業界にいる親友に、その悩みを相談したことがあります。すると「なんで答えられないの?別に風変わりな仕事をしているわけでもないのに」と言われました。
そのときは、あまり仕事が楽しくなかったこともあり、「私は仕事で立派な成果を上げられていなくて、落ちこぼれだから、相手にバリバリ働いているイメージを想像されては困るから」と答えた記憶があります。
いま振り返ると、たぶんそう答えた背景には、心の中に「人に干渉されたくない」、「人からああだこうだ思われたくない」という気持ちが潜んでいたと思います。
つまり、私は自己開示がとても苦手な性格だったんです。
自己開示は自己承認、そして成長にも
自己開示が苦手なのは、いまも変わっていません。
でも、今年に入ってから、努めて少しずつ自己開示するようになりました。職業を聞かれたら、ちゃんと正直に答えます。
自己開示するようになったきっかけが特別に何かあったわけではありません。ただ、初対面の人と接する機会がたくさんあるうちに、「別にいいや」と思うようになってきたのです。
たとえば自分の職業を話すと、相手はいろんなリアクションをします。でもそれには慣れてきて、だんだん気にならなくなってきました。人間の慣れるってすごい体質です。
そして1つ、不思議なことがありました。
仕事でも成果が出せるようになってきたのです!するとどんどん自信も湧いてきます!
これは「ニワトリが先か卵が先か」という話で、職業開示(自己開示)したのが先か、仕事で成果が出せるよになったのが先か、私の中でははっきりしません。
ただ、今年に入って職業を開示するようになり、仕事で成果が出せるようになってきて楽しくなったのは確かです。
おそらく、無意識ではありますが、自分で自分を承認でき、それが自信につながったんだと思います。好循環です。
人の輪も広がる
逆に自己開示しないということは、相手に壁を感じさせてしまいます。
せっかく仲良くなろうと思って質問しているのに、誠実に向き合ってくれないと思わせてしまいます。
もちろん、初対面でかなりプライベートなことまで根掘り葉掘り聞くのは、マナーに欠ける場合もあると思うので、質問する側も注意が必要です。
たとえば、相手の表情から気持ちをくみ取り、言葉やタイミングを選ぶ必要がありますし、相手が話しやすい雰囲気を作る気遣いも大切です。
ただ、人間同士仲良くなっていくには、自分のことを開示していかなければ、相手のことが分からないままで、距離は縮まりません。
人間関係を築く上で重要なのは信頼関係。信頼関係を築くには、やはり相手のことを知る、自分のことを知ってもらうところから始まると思います。それは単に相手の情報を得るということだけではなく、相手が自分に気を許してくれたというサインでもあるからです。
職業、住んでいる地域、出身地、趣味、特技・・・何でもいいので、少しずつ開示できるところから相手に話して、仲良くなり人の輪を広げていきたいものですね。
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